設立趣意

かつてない急速な高齢化の進展により、介護の長期化、重度化など介護を要する高齢者が増加する一方で 介護者の高齢化、女性の社会進出等を背景に、家族介護を取り巻く様々な社会問題が生じている。

特に団塊の世代が後期高齢者になり、医療介護ニーズが著しく増加する2025年へ向けたサービス提供体制づくりとして 「地域の中で医療・介護・住まい・予防・生活支援を一体的に提供する」≪地域包括ケアシテスム≫の構築が進められている。

介護事業を取り巻く現状は、異分野からの市場参入による競争の熾烈化、そして、 制度の本旨である「与えられる介護から利用者が自分で選択する介護」として、事業者の提供するサービス内容・質への関心はますます高まりをみせている。

こうした中、我々には、増大する介護需要に的確に対応し、介護保険制度に則ったサービスのみならず、 制度の枠を超えた機動的、弾力的なサービスを民間ならではの迅速、かつ多様な形態で提供していくことが、 これまで以上に強く求められている。 しかし、介護事業者の大半を占める中小事業者では、このような事業を展開していくための経営資源が不足している。 また、最重要の経営資源であり、今後の介護事業の成否を分ける大きな要因となる「人材の確保・育成」についても、採用予算、研修予算、キャリアパスに基づいた賃金・待遇・ポスト・福利厚生などの職員への処遇面でも、大規模に劣るため苦戦を余儀なくされる。

増大する介護需要に対応し、介護が必要になっても安心して暮らし続けることが出来る地域づくりを実現していく、 また、生産性の低さが指摘される介護業界が成長性を確保し、雇用の創出等により地域経済のけん引役としての役割を担える 「真の成長産業」へと飛躍するためには、大手事業者や保健医療福祉複合体といった大規模法人のみが、地域独占でサービス提供を行うのではなく、中小介護事業者も含めた健全な競争や相互機能補完による共存共栄を図ることが不可欠である。

そこで、介護福祉事業を行う中小規模の民間事業者が、組合員の相互扶助の精神に基づき、 互いに協力・助け合い、必要な共同事業や相互の交流や情報交換をもって、経営基盤の強化、サービスの質の向上に努め、更なる地域福祉の向上に資することを目的に、ここに中小企業等協同組合法に基づく協同組合を設立するもである。

代表理事 福井雅樹
介護支援専門員 介護福祉士 キャリアコンサルタント